「お子さんの靴どんな基準で選んでいますか?」 乳幼児の正しい靴の選び方、履き方。誤った認識を変えよう、今から出来る靴教育。
「お子さんの靴、どんな基準で選んでいますか?」
・過去の日本人への研究調査では、どの年代でも靴をデザイン最優先で選んでおり、その割合は9割にも上っていました。健康重視の成長期の子どもの靴でさえ、機能性や実用性は3位以下で、誤った認識をしている人がとても多いのです。
しかし、7~8才までの【靴行動(靴選び+履き方)】によって、子どもの足は大きく変わることも報告されています。子どもの運動靴の選び方や履き方について、最近の知見をお伝えします。
時代(環境や遊び)の変化とともに「足」が変化しています。
変わりゆく子どもたちの足
・江戸時代の人の足跡を見て 下さい。何と力強い足跡でしょう。
そして、環境や遊びが大きく変化した現代。土ふま ずだけでなく、子どもたちの足跡に確実な変化が見 られます。実に43%の小中高生が何らかの 足のトラブルを抱えています。現代の子どもたちの 足から、力強さが失われ、人間らしさが失われつつあります。
まず、この現実を知って欲しいのです。
子どもたちの足の現状から見えてくること
・足のアーチは主に、骨・靭帯・筋肉で出来ています。
大人になってから身長が伸びる事がないのと同様に、骨と 靭帯は成長期でなければ鍛えられません。加齢とともに体力・運動能力が低下してゆきますが、足アーチも同様 に低下してゆきます。縦アーチが低下すると「扁平足」、横アーチが低下すると「開張足」となり、足が疲れやすくな り、立っていられないほど痛くなったり、自分の足で歩けなくなることもあります。
足アーチを育てる には、成長期に十分な足の運動、特に足指の運動が必要なのです。人間の寿命が延び体の使用年数が長くなった 今、一生自分の足で歩き続けるためには、成長期に丈夫な足アーチをつくり、維持してゆくことが重要です。
知られざる靴のリスク
・間違った【靴行動(靴選び+履き方)】をすることで、足の疲労や痛み、変形などのトラブルが生じたり、ケガの原因となったりする恐れがあります。
・特に成長期にある子どもの靴行動には、大人より、より多くの注意を払う必要があります。その子の将来の足に大きな影響を及ぼすからです。
子どもの靴のもったいないサイクルとは
・子どもの足の成長が著しいため、1つの靴をはき続けられる期間が大人に比べて非常に短く、日本の親はそれをもったいないと捉えています。そのため、靴にかけるコストパフォーマンスにばかり目がいってしまう傾向にあります。つまり、できるだけ長時間履けることを重視し、多くの保護者が「成長のゆとり」と称して、大きいサイズの靴を購入しているのですが、その「ゆとり」とは何㎝が適切なのか?という情報を知った上でサイズを決めているわけではありません。
保護者の無意識な倹約意識のせいで、必要以上に大きな靴を履き、足の健康を脅かされている状況が続くのです。
サイズの合ってない靴を履くと…
・すぐに履けなくなるのもったいない
↓
・大きなサイズの靴買う
↓
・靴の中で足が前にすべり、動く
↓
・上手く走れない。
・靴の中で動かないように指で踏ん張る。
・指を立て続ける疲労。
↓
・足指の屈曲変形。
「母趾の屈曲変形」
また逆に小さすぎる靴で「外反母趾」などの変形を起こす。
・子ども自分で何がちょうど良いのかわからない。じわじわと大きくなるからわからないのだ。「いたい」っと言えず、指を縮めている子が多い。
なので
⇒正しいサイズを履いているかどうかは、中敷きをはずして、確認する。
指先を押してサイズチェックをするのはあいまいなやり方で、昭和のやり方。
3つの正しい靴行動のポイント
・正しい靴の選び方
・正しい靴のサイズ
・正しい靴の履き方
正しい靴の選び方 重要な3つの条件
①甲の部分に「マジックテープ」がついていること
⇒足のベストポジションをキープする役割がある。
・マジックテープを留めないと、足は靴の中で歩くたびに前後に動き、不安定になります。マジックテープのない靴はおしゃれです。しかし、歩きにくく足が疲れるばかりか、緊急時に脱げることも多く、事故や事件などの際に命の危険を招く恐れもあります。
機能性の高い靴はどれ?
・靴の種類はだいたい4種類です。
【☆の数が多いほど機能性が高いです】
①スリッポン ☆
②片側マジックベルト ☆☆
③折り返しマジックベルト ☆☆☆
④ひも靴 ☆☆☆☆
・まだひもが上手く結べないうちは、マジックテープが付いている折り返しベルト型と片側ベルト型がおすすめです。
②かかとまわりが硬く、しっかりしている靴
⇒かかとを安定させ、まっすぐ立たせられる。
・立った姿勢をまっすぐ支えるのが靴のかかとです。柔らかくふにゃふにゃのかかとの靴では、足がぐらつき不安定になります。かかとの両脇を押しても凹まず、硬く丈夫な物がおすすめです。
年齢に合わせた靴選びとは?
【0~1才】は、歩行が不安定で《横揺れ》しがちです。靴を置いた時に靴底がピタッと安定するものは足も安定させます。足を支えるかかとから足首にかけての保護性・強度を最優先させましょう。
【2才~】は、母趾で地面を蹴り出す《踏み返し動作》ができるようになり、歩行が安定してくるのに合わせて、足や足首がダイナミックに動かせることが重要です。靴を持って曲げた時に、つま先からかかとの長さの3分の1の位置が楽に曲がり、靴底に適度なクッション性があるものを選びましょう。
③中敷きが簡単に外せる靴
⇒サイズが合っているかどうか確認できる。新しく買う靴はどのくらいの大きさの靴を買えば良いのかの目安になる。
【中敷き確認法】
・中敷きの上に立たせて、まだ大丈夫な大きさか、確認する。
靴の中敷きを出して、かかとの位置に合わせて上に立たせます。この時に、指先に0.7~1.0㎝の余裕があれば「今ちょうど良いサイズ」
余裕が0.5㎝以下になったら、0.5㎝大きいサイズに替えましょう。
正しい靴のサイズの選び方
・足にあった靴とは、つま先に1.0㎝程度の余裕があり、靴内で足がしっかり固定できる物です。かかとがずれたり、前後左右に足が移動しない靴を選びましょう。
①つま先に1.0㎝程度の余裕があり、運動時につま先が靴の先端にあたらない。
②かかとから甲が足にフィットしていて、運動時に前後左右に足がずれない
③靴先部分に足指を十分に動かせるゆとりがある。
④かかとのカーブが足に合い、歩行時や運動時にかかとがずれない。
⑤圧迫感や不快感がない。
・成長期の子ども達の足は、平均すると約1.0㎝(2才くらいまでは約2.0㎝)大きくなります。やむをえず大きいサイズを選ぶ場合でも、1年の平均成長量を超えないようにしましょう。
正しい靴の履き方
・靴を履くときに、つま先トントンしている人はいませんか?
つま先トントンは昔の平安時代のやり方です。
実は、かかとでトントンが正解です。
もちろん、足指をしっかり動かせるためです。かかとでトントンしてから靴を履きましょう。
種類別正しい靴の履き方と、脱ぎ方の流れ
【片側マジックベルトの場合】
【折り返しマジックベルトの場合】
【ひも靴の場合】
まとめ
・成長期の子どもの靴が重要なことは誰もが感じていることでしょう。しかし、日本では靴文化が未熟で教育制度もないため、何が大切なのか?どういう靴を履けば良いのか?知識がありません。長く続いた草履・下駄文化の名残りが、靴が主流になった現代でも引き継がれています。下駄なんて誰も履いてないのに、いつまで下駄箱なんて言ってるの?
祖父母から誤った考えや習慣が伝承され、日本人の靴生活の邪魔をしていることに気づいてください。
・保護者の皆さん自身の靴選びの知識が間違ってないか確認してみましょう。正しい靴行動の教育は早く始めるべきです。中でも【かかとトントン】の正しい靴の履き方動作、ベストポジション作りは最も重要です。
・靴教育は、お子さんの健康な身体作りのための基本です。靴の環境が整えば、運動量が増えて、元気いっぱい、疲れずに遊べるようになり、体力向上も進むでしょう。からだづくり最盛期の今だからこそ、健康で安全な靴生活を今から始めましょう。
足が変われば子どもが変わる!
足が変われば未来が変わる!!
人間の寿命が延び、体の使用年数が長くなった 今、一生自分の足で歩き続ける足を手に入れよう